文献ひとり言

このページは、一条が過去に読んだ本・最近読んだ本、調べた資料、そして観たDVD等、文献・資料に関して、少々専門的なことも含めて、一条の好き勝手な思いや感想を書き並べたページです。

読んで下さる方々の好き嫌いは気にせず(あらまぁ)、スルーされるのを恐れず(笑)、マイペースで更新していきます。

しかし、もしかしたら、すごく得することが書いてあるかも。

2018年 5月 19日 (土)

今回は、あのインパクト抜群、独特のキャラクターで有名な “さかなクン” です。

さかなクンは現在、東京海洋大学の客員准教授、大学から名誉博士号も授与されました。

テレビ出演・公演、著書・図鑑の出版、新聞のコラム等、たくさんのお仕事をお持ちです。

2010年には、クニマスの生息確認に貢献した等、数々の功績に対し、内閣総理大臣賞も受賞されています。

今回は次の本をご紹介します。

さかなクン 著『さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~』講談社、2016年

この本は次のように始まっています。

「お魚が好きで好きで、とにかく大好きで。ただひたすらお魚さんたちだけを夢中でおいつづけていたら、気がつくと『さかなクン』としてこの場所にいました。そんな奇跡のような、けれど必然のような、なんだか不思議なわが人生。でも、半生を振り返ってみて、ひとつだけ確かだと思えることがあります。それは、“好きに勝るものはなし” ということです。好きだから、もっともっと知りたくなって、知れば知るほどたくさんの感動をいただいて、夢も広がって。そして『さかなクン』ができあがったのです。」(p.6)

「どうやら、一度好きになったら止まらない、最後までやりきらないと気がすまない性格は、生まれたときから変わっていないようです。」(p.8)

絵本、図鑑、お絵描きが大好きな少年だったようです。

「寝ても覚めてもタコタコタコ。休み時間も家に帰ってからも、図書室から借りてきた図鑑『水の生き物』のタコのページを眺めては、写真を見ながらタコの絵を描いていました。授業中だって、あの、世にも奇妙な姿を思い浮かべてはニヤニヤが止まりません。授業の内容なんて、これっぽっちも頭に入ってきませんでした。」(p.27)

こんなお勉強をしない子どもに家族はどう接したのでしょうか・・・

「そして夕食は毎日のようにタコをおねだり。それでも母はイヤな顔ひとつしませんでした。それどころかお刺身、煮込み、酢の物など味付けを変えて1ヶ月ほども毎日、タコ料理を作りつづけてくれたのでした。兄も「マー坊はタコが好きなんだね。」と笑うだけ。毎日晩ご飯がタコばっかりだと、文句のひとつも出そうなものですが、グチひとつ言わず、毎日のタコ料理につきあってくれたのでした。」(p.28)

「そこで、母に頼んで日曜日になるたびに、関東近辺の水族館へ連れていってもらうようになりました。」(pp.28-29)

1ヶ月間、文句を言わずにタコ料理ですよ。

すごいご家族ですね。

水族館にも毎週ですよ。

でも、甘やかしているわけではありません。

「それでもしばらくの間、涙を止めることはできませんでした。こういうとき、母はいっしょにいてもいっさい口を出してきません。お店にお願いするときも、ぜんぶ自分でやるのです。母はただ後ろで見守ってくれているだけ。失敗することのたいせつさを身をもって学んでもらいたかったのかもしれません。」(p.61)

自分で責任をとることをお母さんはむしろ厳しめに教えています。

「水族館にいった日は、いつも以上に頭の中がお魚のことでいっぱいになります。今日目にしたかわいいお魚たちのことを忘れないように、家に帰ると一目散に図鑑を開きます。そして、その日見たお魚を図鑑でチェックするのです。生き生きと泳いでいた姿を思い浮かべながら、そのお魚のすべての情報が頭の中に入るまで、またひたすら読みこむのです。こうしてお魚の知識を、どんどん増やしていったのでした。」(p.67)

ほほ~う、復習ですね。

学校の勉強に興味がないだけで、勉強が嫌いなわけではありません。

ただ大切なことは、さかなクンは勉強という2文字は意識していない。

好きなことに没頭しているということです。

「いつでも好きなときに読めるように、貝類エビ類魚類と、毎日たくさんの図鑑を持って登校していました。1冊でもかなりかさばる図鑑たち。おかげでランドセルに教科書の入るスペースはほとんどありません。けれど図鑑を家に置いていくという考えは、まったくありませんでした。」(p.73)

とにかく手ぶらで歩くのが好きな一条とは全く正反対です。

一条は学校の定期試験当日は、手ぶらで学校に行くことをポリシーにしていました(笑)。

だから大成しない?(涙)

さかなクンの学校の先生とお母さんとの会話があります(pp.76-77)

「本当に絵がお上手ですね。彼の描く絵はすばらしい。ただ、授業中も魚の絵を描いてばかりで、授業にまったく集中していません。もう少し、学校の勉強もきちんとやるように家庭でもご指導していただけませんか。」

「あの子は魚が好きで、絵を描くことが大好きなんです。だからそれでいいんです。」

「しかし、いまのままでは授業にまったくついていけていません。今後困るのはお子さんですよ。」

「成績が優秀な子がいればそうでない子もいて、だからいいじゃないですか。みんながみんないっしょだったら先生、ロボットになっちゃいますよ。」

「では、絵の才能を伸ばすために、絵の先生につけて勉強をさせてあげたらいかがですか。」

「そうすると、絵の先生と同じ絵になってしまいますでしょ。あの子には、自分の好きなように描いてもらいたいんです。今だって、誰にも習わずに自分であれだけのものを描いています。それでいいんです。」

一条は元・中学校の先生ですから、学校の先生の言い分はわかります。

これは正論です。

しかし、これはあくまで標準的で、誰にでも共通するようなことです。

それに対して、お母さんはご自分の考えにブレなかったことが素晴らしいと思います。

「母の態度は一貫していました。先生に語ったこの言葉どおり、『勉強しなさい。』とか『お魚のことは、これくらいにしときなさい。』などと言ったことは、いっさいありませんでした。そのかわり、『お魚が好きなんだから、好きなだけ絵を描くといいよ。』そう言って、いつも背中を押してくれたのでした。」(p.77)

さかなクンから、読者へのメッセージです:

「もし夢中になっているもの、大好きなことがあったら、ぜひつづけてみてください。好きなことを追いつづけるのはすばらしいです。ひょっとしたら将来の道にはつながらないかもしれません。途中でスーッと気持ちが冷めてしまうこともあるかもしれないし、まったく別の道を歩むことになるかもしれません。それでもいいと思います。夢中になってひとつのことに打ちこんだという経験は、けっしてムダにはなりません。人生のどこかできっと役に立ちます。もし、お子さんがいらっしゃったら、いまお子さんが夢中になっているものが、すぐ思い浮かぶはずです。それは虫かもしれないし、ゲームやお菓子かもしれません。つい『もうやめなさい!』なんて言ってしまいたくなるかもしれません。けれど、ちょっとでもお子さんが夢中になっている姿を見たら、どうか『やめなさい』とすぐ否定せず、『そんなに面白いの?教えて。』ときいてみてあげてください。きっとお子さんはよろこんで話をしてくれるはずです。その小さな芽が、もしかしたら将来とんでもなく大きな木に育つかもしれません。夢は、言葉に出すとかなう気がします。心の中で思っているだけじゃなく、言葉にしたり絵に描いたり、表現することがとても大事な気がするのです。その思いが、夢を実現へと近づけてくれるのだと思います。」(pp.259-260)

 

 

 

2018年 4月 16日 (月)

今回は少し説明を入れます。

葛西さんが言われていることのポイントは幾つかありますが、まず、キーになるのは・・・

「無理をしない」「笑顔で楽しく」(p.12)

ではないかと思います。

それを踏まえた上で、言われるひとつひとつを考えてみてはいかがでしょうか。

“努力” については、次の2つをあげています(pp.8-9)。

1.自分の努力は「目的に見合っている」か

2.自分の努力は「年齢に見合っている」か

その上で、「ほとんどの人は、努力が『足りない』のではなく、努力を『向ける方向』と『やり方』が間違っている可能性が高いと思うのです」(p.10)と指摘しています。

つまり、今まで上手くいかなかったことも “方向” “方法” を変えるだけで、一変して、上手くいく可能性が高くなるということです。

以下は、いつもの通り、一条の勝手な抜粋です。

「『いまのラクな姿勢=疲れない姿勢』ではない」(p.34)

「背筋が伸びた『正しい姿勢』が、本来は『いちばんラクな姿勢』」(p.35)

「ランニングはメンタル面にも効果がある」(p.48)

運動を継続するコツとしては、

「『やらなきゃ』という義務感を捨て、あえて毎日やらない」(p.52)

「『柔軟性のなさ』『体の硬さ』は、みなさんが思っている以上に『疲れやすい体』をつくり上げてしまうのです」(p.64)

「40歳を過ぎたら、筋トレよりストレッチを始めよう」(p.66)

「科学的に実証されているかはわかりませんが、『体の硬さ』と『心の硬さ』は比例するというのが私の実感です」(p.70)

睡眠の質を上げるためのコツとしては、次の5つ(pp.76-81)。

1.部屋は真っ暗にするのがベスト

2.起きる時間は厳守! 二度寝はしない

3.楽しいことを考える

4.昼寝はしない。しても30分以内

5.自分に合った寝具を選ぶ

「お腹がすいたと感じたら、まずはマグカップ1杯分のコーヒーをゆっくり飲んでみる・・・これは私が長年、試行錯誤した中で最後にたどり着いた最も効果的なダイエット方法です」(p.119)

「葛西式『コーヒー』ダイエット」(p.120)

1.飲み方はホット、ブラックで

2.腹ペコなる1時間前に飲む

3.夜に飲むときはデカフェ(ノンカフェイン)で

「下半身の筋肉は、上半身の筋肉よりも衰えるスピードが速いのです。一説によると『下半身は3倍衰えやすい』ともいわれています」(p.137)

「そうした息抜きの遊びは、自分の成績を上向きにさせるだけでなく、『やらないこと』の大切さを学ぶきっかけにもなりました。・・・向き合う時間と比例して成績が上がるのは、若いときだけです。『40代以降は、効率的な休暇も大切にしなければいけない』と確信しています」(p.157)

「『ストレスと真っ正面から向き合うやり方』では、心が折れて、第一線で働きつづけるのは難しくなるばかりではないでしょうか」(p.158)

「折れない心」のつくり方は(pp.158-159)、

1.脳を疲れさせない

2.笑顔と言葉で「プラス思考」を生み出す

3.「ワクワク感」を甦らせる

「・・・その過程で学んだことは、『やる気を奪う』最大の敵が『ストレス』にあるということでした。・・・あまりにも過酷に取り組みすぎたゆえに『空回り』して、ストレスばかりため込んでいたのです」(p.159)

「脳を疲れさせない」ために葛西さんがやっていることは(pp.163-168)、

1.日ごろから練習(仕事)をしすぎない

2.本番直前はとくに練習(仕事)をしすぎない

3.「競技(仕事)のことは一切考えない時間」をつくる

4.日常の中にも「楽しみ」を取り入れる

5.苦手な人とは付き合わない

「ワクワク感」を甦らせる方法しては(pp.181-182)、

1.「原風景」を思い出す

2.『新しいこと』を始める

「『好き』『楽しい』というワクワクした気持ちが薄らいできたとき、私ははじめてジャンプを跳んだときの気持ちを思い出すようにしています」(p.181)

「誰にでも、仕事を始めたときには『ワクワク感』があったと思います。そこには、決して『マイナスの感情』はなかったはずです」(p.182)

「『新しいチャレンジ』は『新たな楽しみ』を生むだけでなく、『人と人の輪』も広げてくれます」(p.184)

(葛西式「魔法の野菜スープ」のつくり方・・p.125)

 

 

2018年 4月 15日 (日)

きのうの続きで、「30のコツ」の残り20個を一気に書きます(pp.221-224)。

11.40歳を過ぎると、代謝が落ちるので、太りやすくなる。ただし、「食べ方」を変えれば、「やせた体」は十分維持できる。

12.40代以上が目指すべきは、代謝がいい「細マッチョ」。「適切な下半身の筋肉」と「少しやせ型の上半身」が理想の体型。

13.週に1.5日の「ご褒美デー」をつくってストレスをためない。「好きなだけ食べられる」と思うから、普段我慢できる。

14.「代謝アップを促す食品」を上手に取り入れると、ダイエットは、ぐんとラクになる! やせやすくなる!

15.空腹を感じたら、まずは試しにコーヒーを飲んでみよう。それだけでも空腹感がおさまることは意外と多い。

16.「魔法の野菜スープ」で、ダイエットはラクになる。栄養バランスもよく満腹感もあり、「最強の味方」になる。

17.お酒を飲むときは、糖質をエネルギーに変えてくれる「ビタミンB1を多く含むつまみ」を一緒に食べよう。

18.「老いない体」をつくるには、「下半身の強化」が重要。「老いは足から」。40歳を過ぎたら、上半身より下半身を鍛えよう。

19.筋肉の70%は、下半身に集まっている。下半身のトレーニングだけなら、自宅で短時間でできて効率的。

20.葛西式「下半身強化トレーニング&ストレッチ」なら、週1回、20分程度で、「老いない体」がいっきに手に入る。

21.「下半身&体幹トレーニング」なら6分でできる。その時間もない人は、「階段移動」で下半身を鍛えよう。

22.折れない心をつくるには「3角形の法則」がポイント。実践すれば、ストレスも減り、やる気も戻ってくる。

23.「脳を疲れさせない」ために5つのことをしよう。工夫次第で「脳の休息」は増やせる! 体の疲れもとれる!

24.笑顔と言葉を変えれば、「プラス思考」は生み出せる。「3つの言い換え」で、マイナス言葉を極力、減らそう。

25.「原風景」を思い出し、「新しいチャレンジ」をすることで、何歳になっても「ワクワク感」は取り戻せる。

26.「不安」と「緊張」の2つを取り除くと、本番で実力を発揮して、最高の成果を出せる。

27.現実離れしたストーリーではなく「いい状況」も「悪い状況」も想定し、最終的にプラスの結果に結びつけるのがイメージトレーニング。

28.5つの手順を踏めば、イメージトレーニングは誰でもできる。マイナスイメージに引きずられるときは、顔の前で手を叩いて断ち切る。

29.最強の呼吸法「レジェンド・ブレス」で、緊張は一瞬で消える。鼻から思いきり息を吸い込み(2回)、口から少しずつ、ゆっくり息を吐く。

30.「レジェンド・ブレス」を実践するコツは3つある。運動後に、日ごろから練習しておくと、本番で成功できる。

さて、「30のコツ」が出揃いました。

読んで下さっている方々は皆さん、関心のあるところは違うと思います。

それは、ダイエットですか?

ストレスですか?

トレーニング&ストレッチですか?

ワクワク感ですか?

コツの中身の説明(実践方法)は次回に・・・

(寝る前3分でできる! 体幹トレーニング・・p.42)

 

 

2018年 4月 14日 (土)

お久しぶりです。

2ヶ月半空いてしまいました。

空いてしまった理由は抜きにして、早速行きましょう。

今回はスキージャンプの “葛西紀明” さんです。

ソチ・オリンピック個人銀メダリスト、冬季オリンピック出場8回という、ものすご~い方です。

葛西さんは現在46歳。

35年以上にも渡って競技選手を続けてこられ、“レジェンド” と呼ばれています。

ダンスをされている方は、一条も含め大半が40歳以上だと思いますので(ごめんなさい・・笑)、この本は役に立つと思います。

葛西紀明 著『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』東洋経済新報社、2017年

今回はご紹介したい内容がたくさんあるので、数回に分けてお伝えすることにします。

まずは、葛西さんが言われる「30のコツ」のうちの最初の10個を書き並べてみましょう(pp.220-221)。

01.40代になったら「疲れない体」こそ最高の武器になる。「代謝をいかに上げるか」が「疲れない体」をつくる最大のポイント。

02.「いまのラクな姿勢」が「疲れない姿勢」とは限らない。背筋の伸びた「正しい姿勢」なら、長時間でも疲れない。

03.体幹を鍛えると、姿勢は驚くほどよくなる。寝る前3分でできる「体幹トレーニング」は超おすすめ。

04.ねこ背の原因は、パソコン・スマホのことも多い。画面を「目線の高さ」に合わせるだけで、姿勢は驚くほど変わる。

05.運動を始めるコツは、なるべく目標を低くすること。1日10分のウォーキングなら、誰でも今日から始められる。

06.運動を継続するコツは「心のストレス」を取り除くこと。運動時間は最大30分にして、あえて毎日やらないようにしよう。

07.サウナスーツを着てランニングをすると、短時間でも大量の汗をかける。汗をかく爽快感を覚えると、ランニングがさらに楽しくなる。

08.「3つの筋肉」をほぐすと、体と心の「柔軟性」が取り戻せる。葛西式「最強のストレッチ」を、ひとつずつ丹念に行おう。

09.寝る前の「食事」「スマホ」「場所」にもっとこだわろう。「3つの習慣」をやめるだけで、睡眠の質は大きく向上する。

10.心身ともに、不調なときこそ汗をかこう。10日に1回の「サウナデー」で、心身をリフレッシュできる。

残りの「コツ」と具体的な中身は、また次回以降で・・・

 

 

2018年 1月 28日 (日)

今回は、シンクロナイズドスイミング日本代表ヘッドコーチの “井村雅代” 先生です。

あの大きな声、大阪弁は有名ですね。

井村先生は、一条と同じ大阪市の中学校教員(保健体育)のご出身ですが、残念ながら、一条が教員(数学)になった時にはすでにご退職されていました。

もし同じ時期に教員をされていたら、授業参観等で先生のご指導ぶりを見せていただくことができたのに・・・(残念)

次の本は出版されてすぐ購入し、読んで、そのまま書棚にしまい込んでいたのですが、もう一度読み返してみたくなりました。

井村雅代 著『井村雅代コーチの 結果を出す力』PHP研究所、2016年

この本は次のように始まっています。

「人間にとって一番大切なものは『心』です。もし、物事がうまくいかなかったら、心の中で『自分はがんばったつもりだけれど、きっと努力が足りなかったのだ。もっとがんばろう。もっと努力しよう』と思えるかどうか。私はこれを『心の才能』と呼んでいます。・・・今まで10回やっていたならば、これからは50回やろう、100回がんばろうと思えて、実行できるかどうか。・・・シンクロでも、脚が長いとか、スタイルがいいとか、そんな才能があるに越したことはありません。けれども一番大切なのは、たとえ1ミリでもいいから前に進む努力を続けることができる『心の才能』なのです。」(p.4)

今回も一条の勝手な好みで、著者の言葉をピックアップしていきます。

「目標を立て、そこに到達するまでの計画を立てても、計画通りにはいかずに徐々に遅れていくことが多いと思います。重要なのは、ここでどうするかです。ここで、『まだ時間がある』とか、『あとでがんばればなんとかなる』などと考えたら、100パーセント目標を達成することはできません。『なにがなんでもやる』と決めて、できるまでやり続ける。・・・なかなかチェックポイントをクリアできない時には、あせりも出てきます。しかし、あせらないと駄目。あせって必死に努力して初めて、どうにかチェックポイントをクリアできるのです。」(p.20)

「勝負に敗れ、思うような結果が残せなかったとしても、『がんばった日々に価値がある』と言う人もいます。でも、私はそうは思いません。『私はがんばりました』などという言葉は、言い訳でしかありません。結果が出てこそ、がんばった日々に価値が出てくるのです。」(pp.29-30)

「自分ができなくて、隣の人ができる。だったら、できる人が寝ている間に、自分が寝ていたら駄目です。コツコツ努力する。それ以外に自分ができるようになる方法はありません。」(p.35)

「人が1分でできることを、たとえ1時間かかってもいいじゃないですか。自分の人生なのですから、どんなに時間をかけてもいいんです。」(p.36)

「シンクロで、一糸乱れぬ演技を見た観客の方が、皆さんこうおしゃいます。『なぜ、あんなに動きがぴったりと合うんですか?』。答えは1つです。『合うまで練習するからです』。できないわけがないのです。なぜなら、『できるまでやる』からです。人生は、うまくいかなくて当然。壁にぶつかって当然。だから、できるまで努力するのです。」(p.36)

「言い訳を考える時間があるならば、うまくいく方法を考えなさい。」(p.51)

「努力したかどうかは、他人が決めるものではないでしょうか。『あなたはよく努力したね』とは、他人から言ってもらうものであって、『私は努力しました』と自己申告するものではないと私は考えます。ですから同じように、『自分へのごほうび』は、ただ自分を甘やかしているだけだと思います。」(p.78)

「運のよい人とは、不運を排除する能力があると私は考えています。・・・不運なんて、考えても無駄だと思ったら、すぐに捨ててしまえばいいのです。私なんて、右耳から入ってきた陰口や自分の判断を惑わすと思った言葉などは、すぐに左耳から捨てていきます。そして、これからよくなる方法しか考えません。」(p.91)

「自分の心を感動させられない人間が、他人の心を動かせるわけがない。」(p.134)

「いろいろな知識の引き出しを持ち、常に自分の心を高め、心が豊かな人間にならなくてはいけないのです。ですから選手たちは、本を読んだり、芸術を鑑賞したりして、心が感動する場に足を運ぶことが重要になります。・・・人間が本気になって、自分の知識と感性と感情をすべてぶつければ、人の心は動きます。そんな人間でなければ、人の心を動かすことなどできないのです。」(p.136)

 

 

2017年 12月 30日 (土)

先日ブログで、日清食品さんの「即席麺発明からもうすぐ60周年」のことを書きましたが、その後、創業者の安藤百福さんがどのような方だったのか知りたくて、アマゾンに一冊の本を注文しました。

安藤百福発明記念館 編『転んでもただでは起きるな!』中公文庫、2013年

この本を読むと、安藤さんがそれはそれは大変な波瀾万丈な人生を送られたことがわかります。

しかし、いかなる逆境においても、常に前へ前へと進んでおられます。

一条は何かうまくいかないことがあると、落ち込んだり消極的になったりしますが、それはそれとして、安藤さんはそこで何かをつかんで、そしてとにかく前に進むことを言われるのですね。

「転んでもただでは起きるな。そこらへんの土でもつかんで来い。」(p.138)

「考えて、考えて、考え抜け。私が考え抜いたときには血尿が出る。」(p.147)

私たちが今では当たり前のように食べている即席麺の発明について、興味深いことが書かれています。

「・・・これを長期保存するには、そうめんのように乾燥させなければならなかった。・・・めんを高温の油に入れる。水と油の温度差によって、めんに含まれている水分が外にはじき出される。めんはほぼ完全乾燥した状態になり、半年間置いても変質したり腐敗したりすることのない保存性を獲得したのである。同時に、水分が抜けたあとには無数の穴が開いていた。乾燥しためんに熱湯を注ぐと、穴からお湯が吸収され、チキンスープが溶け出し、めん線はもとの軟らかい状態に戻っていく。保存性と簡便性という2つの技術課題が同時に解決した瞬間だった。」(pp.52-53)

麺を油で揚げてあることは知っていましたが、そのような仕組みがあるとは恐れ入りました。

「日清食品」という社名は「日々清らかに豊かな味を作りたい」(p.62)という安藤さんの願いからつけられたそうです。

“食” という私たちにとってはなくてはならない分野で、人のお役に立ちたいと願われ、そして実践してこられた安藤さんのお言葉の中から、例によって、一条が心に留めたいくつかをあげておきます。

「人生に遅すぎるということはない。」(p.136)

どこかで聞いたことはありましたが、安藤さんのお言葉だったんですね。

「人間五年かければ、一つの仕事ができる。」(p.147)

3年ではありません。

5年だそうです。

しかし、5年がんばれば、一つのことができるということを教えて下さっています。

「新幹線のグリーンに乗ることに何の意味があるのか。どこに乗ろうと、目的地に着く時間は一緒じゃないか。」(pp.191-192)

贅沢は要らないということですね。

一条は以前、グリーン車よりさらに上のグランクラスに一度乗ってしまいました(反省)。

「人間には二つの心がある。一つはいいことをやりたい。もう一つはやりたいことをやりたい。」(p.199)

普段全く考えませんが、確かにそうだと思います。

人のためにお役に立ちたいという気持ちがあります。

また、当然ですが、やりたいことをやりたいです。

「君は今、何をしているの?」(p.199)

これは安藤さんが社員に呼びかける時の口ぐせだそうです。

そう言われると、何もしていない自分に気がつきますね。

「年甲斐もなく、1ヤードでも遠くに飛ばしたいと思う。わずかな可能性でも、それに挑戦しつづけている限り、人生に退屈するということはない。」(p.214)

ダンスに置き換えても同じだと思います。

 

 

2017年 12月 6日 (水)

漢字を調べるときは、普通「漢和辞典」ですよね。

高校の時、”漢文” の授業のために買わされた、あの辞典です。

しかし、この辞典は中国の漢字を、中国語としての漢字の意味を調べるためのものです。

それはそれで役に立つのですが、日本語としての漢字は、中国語としての漢字と必ずしも同じとは限りません。

一条は10年前に下記の辞典が発売されたとき感激して、すぐに買いました。

それ以来ずっと、一条のお気に入り、そして愛用の辞典となっています。

書店でもし見かけたら、パラパラとページをめくってみてはいかがでしょうか。

今は、スマホで何でも調べることができる時代ですが、辞典の素晴らしさを改めて感じさせてくれる、とてもいい辞典ですよ。

辞典の初めのページの「刊行にあたって」を少し引用しておきます。

新潮社 編『新潮 日本語漢字辞典』2007年

「日本人は、たくみな工夫によって日本語のなかに漢字を取りこんできました。しかしながら、これまで日本で刊行された漢和辞典は、一般の日本人とは縁遠いものでした。漢和辞典のほとんどは、中国の言葉を、それも古代の中国語を日本で学ぶための辞書だったからです。したがって、日本で育った漢字の字形、意味、熟語などを引こうとしても、載っていないということがしばしばあったのです。そもそも、中国語は外国語の一つです。私たちは『新潮日本語漢字辞典』を、その中国語としての漢字ではなく、『日本語としての漢字』を知るための辞典として編纂しました。」(p.2)

「漢字に対する日本人のたくみな工夫といえば、その一つに訓読があります。訓読することによって、漢字は一読してすぐ意味のわかる、日本語を表す生きた文字となりました。『独』は『ひとり』、『立』は『たつ』という訓をもっているから、『独立』という熟語を見た際に、『ひとりだち』の意味であることを悟ることができるのです。もう一つの工夫が送り仮名です。『独り』『立つ』と送り仮名がついているから、『ひとり』『たつ』と簡単に読むことができます。送り仮名があるから、日本語と漢字はこれほどまでに融合することができたのです。」(p.3)

「『浴衣(ゆかた)』『秋桜(コスモス)』などの熟字訓は日本の漢字にしかありません。日本人は中国とはまったく異なる漢字の文化を育ててきたのです。」(p.3)

 

 

2017年 11月 26日 (日)

経営の神様と言われた故・松下幸之助さんの言葉を集めた本が幾つか出版されています。

幸之助さんはご存じの通り、松下電器(現・パナソニック)の創業者です。

和歌山県生まれで、15歳で大阪に丁稚奉公で出てこられて以来、大阪を中心に世の中のために、日本のために生涯を通じてご尽力された尊い方です。

今回は、幸之助さんの言葉がコンパクトにまとめられていて、とても読みやすい本をご紹介いたします。

単にお考えを書かれているのではなく、実践して、そして成功してこられた体験からの言葉ですから、一つひとつに重みがあります。

大阪人間の一条にとっては、ありがたいことに、ところどころに関西弁が入っています(喜)。

前回同様、余計な説明は抜きにして、お言葉を書き出していきます。

どこかで聞いた言葉かもしれませんが、改めて言葉の意味を考えてみたいと思います。

松下幸之助 著『松下幸之助 成功の金言365』PHP研究所、2011年

「物事がうまくいったときは ”これは運がよかった” と考え、うまくいかなかったときは ”その原因は自分にある” と考えるようにしてきた。つまり、成功は運のせいだが、失敗は自分のせいだということである。」(p.12)

「冷静さを失って慌てたり、あせったり、また平常心を失って興奮したりするということは、とりもなおさず、心が何かにとらわれていることを示していると思われます。」(p.58)

「社会に対して自分が誇示したいという気が、人間いくつになってもあるものだ。それは個人の仕事の範疇であろうが、会社の仕事であろうが、あるいは国の仕事であろうが、人生の失敗は全部、そういうところから芽生えるように思う。」(p.60)

「人間お互いに落ち着きを失ってくると、他人の庭の花がなんとなく赤く見えてきて、コツコツまじめにやっているのは自分だけ、人はみな濡れ手で粟、楽をしながら何かぼろいことをやっているように思えてならなくなる。だから、自分も何か一つと思いがちだが、そうは世間は許さない。」(p.61)

「私は成功というものは、いともたやすいことだと思う。しかし必ずしも多くの人が成功しないということは、大道があるのに無理に畦道を歩いていくからである。」(p.68)

「世の中というのは決してむずかしくないと思うんです。むずかしくないものをむずかしくするのはだれかというと、本人自身ですわ。自分自身がむずかしくしている。ほんとうは坦々たる大道がひらけているんです。」(p.77)

「雨が降れば傘をさす。そうすれば濡れないですみます。それは天地自然の理に順応した姿で、いわば万人の常識、ごく平凡なことです。商売、経営に発展の秘訣があるとすれば、それはその平凡なことをごく当たり前にやるということに尽きるのではないかという気がするのです。」(p.387)

「成功するためには、成功するまで続けることである。途中であきらめて、やめてしまえば、それで失敗である。だから、いくら問題が起こってきても、次々と工夫を凝らしてそれを解決していけばよいのである。それを、くじけることなくくり返していく。決してあきらめない。成功するまで続けていく。そうすれば、やがて必ず成功するわけである。」(p.390)

等々

数ある中でも、一条のお気に入りは次の2つです。

少し長いですが、省略せずに全文を書きますね。

「たとえば、腕に一つの小さいできものができると、そのできものが非常に気になる。けれでも、今度は腹の一部に大きなできものができたとなると、小さいできものはもう忘れて、大きいほうだけが気になる。そういうものである。悩みもそれと同じではなかろうか。常に一つに集約する。百の悩みをもっていても、結局、悩むのは一つ。いちばん大きなものに悩みをもつ。そういうものである。私の今までの経験の中でも、同時に五つも六つも問題が起こったこともある。それぞれが、いわば悩みのタネである。どれも頭が痛い問題である。しかし、そういう姿をくり返しているうちに、やがて、一つの悩みも十の悩みも結論は一緒だなということに気づいた。結局、そのときのいちばん大きな悩みが頭を占めることになる。それで頭がいっぱいになれば、他のものはみな第二、第三になってしまう。そうなるから、またなんとかやってこられたわけである。十も二十も悩みがあって、それを全部同時に悩んでいたのでは、とても身がもたない。ところが、うまい具合にそうはならない。いってみれば心の自然な働きとして、人間はいちばん大きな悩みだけしか悩まない。そうなっている。もちろん、それであとの悩みが解消してしまうわけではない。しかしそれほど心を悩ませない。そこで、人間はなんとかやっていける。生きていく道がうまれてくるのである。」(p.63)

「今日私たちの生活においては、精神文化は物質文化よりも一段と低いように思われます。すなわち宇宙の心的法則の解明が、物的法則の解明よりもはるかに劣っているのであります。そこに今日の不幸の大きな原因があると思うのであります。なぜこのように心的法則の解明が遅れているのかと申しますと、実は物的法則に比べてこの心的法則のほうは非常につかみにくいのであります。非常にぼやけたところがあるのであります。たとえば心的法則の一つに嫉妬心というのがあります。これは一つの法則であります。人間にはこういう嫉妬心があるということを、お釈迦様も言っておられるのですが、しかしこれはお釈迦様がつくったのではありません。宇宙根源の力によって人間に与えられた一つの法則であります。お釈迦様はそれに気がつかれたのであって、それはちょうど、ニュートンが万有引力を発見したのと同じであります。そこでこの法則をどう扱うか、ということが問題になるのであります。この嫉妬心は宇宙の法則として与えられているかぎり、これを取り除くことはできません。あたかも、万有引力をなくすることができないのと同じであります。ところがこれが宇宙の法則であることに気づかないと、かえって人間を不幸に陥れるのであります。しかし、なくすることはできないといって、また濫用すると非常に醜い姿になります。むちゃくちゃに嫉妬心を表してしまうと、これは法則を生かさないのと同じであります。そこで、嫉妬心は狐色にほどよく妬かなければならないのであります。すなわち、狐色に妬くと、かえって人間の情は高まり、人間生活は非常に和らいでくると思うのであります。このように、心的法則の解明はむずかしいのであります。」(p.356)

 

 

2017年 11月 21日 (火)

「あの人には花(華)がある」

一度は聞いたことがある言葉ですね。

あるいは、自分自身が口にしたことがあるかもしれません。

似たような場面でよく使う言葉に「あの人にはオーラがある」があります。

しかし、これはどちらかと言うと、仏教用語の “後光” に近い気がします。

「後光が差している」の “後光” です。

しかし、これには感謝や慈しみの意味がありますから、近いですが、やっぱり違いますね。

では、この「花」というのはいったい何なのでしょうか。

自分が使っているとはいえ、「花」とは何ですか、と改めて聞かれても、おそらく私たちは明確には答えられないと思います。

しかし何と、約700年程前(室町時代初期)に一人の日本人、「能」の大家 ”世阿弥” が一つの解答を後生に伝えているのです。

それが、600年程前にまとめられ、『風姿花伝』として登場します。

『花伝書』とも呼ばれています

『風姿花伝』には、たくさんの訳本・解説書が出ていますが、下記の訳本は、現代語訳がとてもわかりやすく読みやすいので、紹介させていただきます。

細かい解説は抜きにして(特に、一条の解説など全く邪魔なので)、本の中にある言葉を箇条書きにあげていきます。

知らなかったこと、興味深い言葉が、どんどん出てきます。

”能” とか ”芸“ とかという言葉は、”ダンス” という言葉に、”役者” は“ダンサー” に置き換えて読んでみても、面白いですよ。

"・・・ " は訳者の解説・言葉、「・・・」は訳者による世阿弥の言葉の現代語訳です。

また、(p.47)は47ページ、(pp.69-70)は69ページから70ページにかけて書かれていることを表しています。

観世清和 編訳『[新訳] 風姿花伝』PHP研究所、2013年

”芸道の世界は『これで完成』ということのない世界です。常におのれを向上させるために努力を重ねる、それは各自が深く心に刻むべきことだと思います” (p.47)

「年輩の役者がすでに観客を惹きつける花を失い古くさい芸に見られている時に、珍しさという花で若い役者が勝つことがあるものだ。しかし、本当に目の利く鑑賞者は見分けるだろう」(p.64)

「まあまあ程度の役者が、自分の花の消えていることによって負けるのである。どんな名木も花が咲いていないときを賞翫するだろうか。名もない桜の一重の花であっても、初花の美しく咲いているのを見るに違いない」(p.64)

「若さゆえ咲かせることができた一時の『花』に慢心し、その後の精進を怠れば、それは一時の花としてやがて失せてしまう。上手な役者にも欠点はあり、下手な役者にも良い所は必ずあるものだ。しかし、これを見分ける人はいないし、本人も気付かない。上手は自分の名声を過信し芸達者であることに目がくらんで、欠点に気付かない。下手な役者は、もともと工夫が足りないから欠点も自覚せず、たまたま長所があっても、それが分からない」(p.69)

「『自分はあれほど下手なことはしない』と慢心するのであれば、自分の良い所もわきまえていない役者というべきだ。良い所をしらないから、悪い所まで良いかのように思うものである。そうであれば年数をかけても能は上達しない。これはすなわち下手の性根だ」(pp.69-70)

”父親からも『うまくなる必要はない。きちんとやりなさい』といわれていました” (p.99)

「・・・相手が練達な人であっても、その時限りの若さによる珍しさで一旦勝ちを収める時は、人も実力以上に評価し、当人も上手と思い上がる。・・・この美しさはまことの花ではなく、若さと、観る人が感じた一時的な珍しさゆえの花にすぎない」(p.105)

”新しい技を少しずつ身に付ける、一歩一歩進むという成長も確かにあります。しかし芸の飛躍、新たな境地を拓くという成長は、少しずつレベルが上がってゆくという性格のものではありません。原点に立ち返り、未熟な己の芸に向き合うところから成長が得られるものだと思います” (p.168)

「・・・観客が新鮮だと感じることが、すなわち面白さなのである。したがって、花と面白さと新鮮さとは同じ心の働きである」(p.173)

”花は、観客が珍しい、面白い、と感じるところに咲く” (p.179)

”花は、それを受け止める側(観客)との揺れ動く関係の中で出現する相対的な価値であるとしています” (p.181)

”花の正体が観客の珍しいと思う心に依存するものだという結論に至ります。つまり、花は演じる側にはないというのです” (p.185)

「同じ上手な役者が演じる同じ能を昨日と今日見て、昨日面白いと思ったものが今日面白くないという時があるのは、昨日面白かったという心の慣れで、同じ演技が今日は目新しさを失うので、つまらなく見えるのである。その後、また面白いと感じる時があるのは、以前つまらなかったと思う心が、今度は目新しく感じるように作用するからである。この道を極めつくしてみれば、花というものが特別にあるのではない。能の奥義を究め、珍しさの原理を万事につけて自分で会得するほかに、花はどこにもないのである」(p.186)

キーポイント1:「花」=「珍しさ」=「新鮮さ」=「面白さ

キーポイント2:「花」は演じる側にはない

キーポイント3:「花」は観客が珍しい、面白い、と感じるところに咲く、つまり、「花」は観客の珍しいと思う心に依存するものである

 

 

2017年 11月 18日 (土)

6月に公開された映画『花戦さ』(はないくさ)のDVDが早くも来月発売されるようです。

この映画は、狂言師・野村萬斎さん演じる花僧「池坊専好」のお話です

時代は「戦国時代」で、織田信長、豊臣秀吉、千利休、等が出てきます。

一条は野村萬斎さんのファンで、本職の狂言の舞台も観に行きました。

DVD『狂言劇場』に収録されている「三番叟」(さんばそう)は、とても素晴らしいです。

映画では『陰陽師』『のぼうの城』等、映画館で観ました。

著書では、『野村萬斎 What is 狂言?』(檜書店)、『狂言サイボーグ』(文春文庫)が面白いです。

話は違いますが、昨年公開された映画『シン・ゴジラ』のゴジラの歩き方を指導したのは、萬斎さんだということをご存じですか?